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600ボルトの電圧を受け死ななかった話

どうも藤鴎外@fujiougaiです。

以前勤めていた会社でタイへ出張へ行った際の話。

勤続年数1年未満の僕が会社から

「ちょっと一週間くらいタイにある某大手自動車メーカーの工場行ってこいや、あ、うちからは1人な。でも取引先の部長と一緒やから安心しろよ、でも失礼ないようにな、じゃあ」

社長直々の命令だったので

「へい」

会社を構成する一つの消耗品である僕に拒否権は無い。

海外行くの一人だと心配だとか怖いだとか、そういった感情の部分はもとより、保険の兼ね合いなど重要な確認も無く、一緒に行く部長の電話番号と仕事内容を伝えられ、その一週間後には関西空港に着いていた。

取引先の部長(Mさんとしよう)と合流し打合せをすると海外出張経験も豊富で、タイなら何度も行っている上に、その設備の立ち上げにも参加していたらしい。

そこまでの情報が入ると今回の出張に対する不安は少し拭われ、むしろ勉強になるのではないか?と思い始めていた。

ところでみなさんはタイと聞いてどんな想像をするだろうか?

まずは気候。ご想像通り暑い、ひたすらに暑いのだ。

「夏でも夏が好きっていうくらい夏が好きです!あと加藤夏希が好きです」

と言える僕ですら

「マジで死ぬかもしれん」

と思うくらいには暑い。ちなみに夏は好きだが好きな理由は”汗かいてても不自然じゃないから”という理由だ。汗っかきに夏は優しいのだ。あと加藤夏希も加藤ローサも好きだ

さて、後は何が思い浮かぶだろう?

食事だろう、たいていの日本人はタイ料理のパクチーや香辛料などが口に合わないと言うが僕の方はそんな事は無かった。ほぼほぼ出されたモノは食べられたし、お昼ごはんなんかは100円を切るくらいだったから率先して食べていた。

ただし、やはり食べられない物もある。

豚の血を固めたモノ、、名をば「ルアッ・ムー(豚の血の塊)」と「クイティオ・ナムトック・ムー(豚の血入りスープ麺)」

これはどうしても食べられずにいた、血を固めるという発想はどこから生まれたのだろうか?正気じゃねえ。とグーグル先生にきいてみたら意外と多くの国でもある料理のようで驚かされた。

あとは何だろう?

”微笑みの国”だなんて呼ばれていたりするが確かに曖昧な笑みを浮かべることが多い、その曖昧な笑みに今回のタイトル「600Vの電圧が掛かった話」というものが絡んでくる、前置きが長くなった。

では感電の話をしよう。

そもそも感電とは?

感電(かんでん)とは、電撃(でんげき)、電気ショックとも呼ばれ、電気設備や電気製品の不適切な使用、電気工事中の作業工程ミスや何らかの原因で人体または作業機械などが架線に引っかかる等の人的要因、或いは機器の故障などによる漏電や自然災害である落雷などの要因によって人体に電流が流れ、傷害を受けることである。

感電wiki

タイトルでは分かり易く「600V」と表記したが、そもそも電圧は問題ではない。

とはいえ、その辺で生きる動植物たちを捕まえて争いを行い悦に浸る某有名アニメに登場するメインモンスターに電気ねずみがいたりするが、その電気ねずみの得意技「10万ボルト」はさすがに電圧は問題ではないと言ったがこれは死ぬ、焼け焦げて死ぬ。

身近な話をすると静電気がバチッとなって痛い思いをしたことは無いだろうか?あの電圧は3000V以上とされており高い電圧を持つが死なない。

問題は電流だ。

電流は科学の時間に教わる単位はA(アンペア)であるが、僕ら人間に流れる事を考えた場合は頭に”m(ミリ)”がつく、1000分の1という意味だ。

電流が人に流れた場合の被害としては以下のようになる。

0.001(A)=1mA 電気ショックを感じ、しびれることもある。
0.005(A) =5mA 痛みを感じ、あとにだるさが残る。
0.01(A) =10mA 皮膚に傷ができる。
0.02(A) =20mA けいれんが起こり、自由がきかなくなる。
0.05(A) =50mA 呼吸が止まったり、心臓が止まったりする。
0.1(A) =100mA 死亡する。

とされている。

で、僕が触れた電線に流れていた電流値は200Aだ。

正確には三相交流だから云々の話になるので面倒だから割愛する。ちなみにT相でしっかり活線だ。

人に流れていい電流の範囲を大きく超えた電流が体に流れ、なぜ死ななかったのか?いまだにわからない。詳しい人教えてほしい。

感電した経緯

日本を出国しタイに到着した日は前乗りということでゆっくりと旅の疲れを癒すことが出来た。

打ち合わせもすませ、二人でタイのシラチャという街を散策しホテルでゆっくりした。

次の日、Mさんとピックアップ(ホテル↔現場への送迎の車)に乗り込み、再度打ち合わせをしつつ現場入り。

打ち合わせ打ち合わせと言っているが、夜の打ち合わせである。何か問題でもあるだろうか?

しかし現場に入れば仕事である、高所での作業だったので慎重に作業を行う。

基本的に技術者が一人で現地の作業者が二人くらいのバランスで人員を配置される、ただしあくまで現地の作業者なので言葉は通じない。

現地のスタッフと超えられそうにもない言葉の壁に苦戦しつつボディランゲージで着々と作業をこなしている時に悲劇は起きた。というか通訳は必要だなと今になって思う。

僕の調査対象の主電源を落とし様子を見る作業だった、簡単な話で主電源を落とせば良いだけの話だった。「主電源落ちてるよね?」と聞くと、曖昧なほほえみでOKと言った。だから電線(端子)に六角レンチを差し込んだ。僕は吹き飛んだ。

人は死ぬ瞬間に走馬燈というモノが見えるそうだ、漫画やアニメ、または体験談としてもよく語られるあの走馬燈。

走馬燈の特徴としては今までの思い出が突然流れてきたり、周りがゆっくりとなって意識だけがしっかりとしている。みたいな事が描写されるが、僕が経験した走馬燈は後者だ。

端子とレンチが触れる瞬間にまずは光が視界を奪った、その発光は理科の実験でマグネシウムの酸化実験の時のような明るさだった。

その1秒の1000分の1なのかどうかもわからない短さで耳に爆発音が響いた。多分ハンターハンターのウヴォーギンでも出せない音だと思う、あ、でもそれなら死んでるか。

後から聞くとその音は広大で騒音が響く工場内でも響き渡ったらしく、全員がコチラを見ていたそうだ。

その一瞬を走馬燈と呼ぶなら、率直に思ったことを書くと「腕飛んだな」である。それしか考えることが出来なかった。衝撃がすごかった。

秒数にすれば1秒にも満たない世界の中で視覚、聴覚、腕の触覚の次に嗅覚が刺激された。明らかに何かが焦げている。

やっとこさ視覚が戻ったので、レンチを握る右手に視線を向けるとレンチがとんでもない熱を持っており、あの”L字”の両端が吹き飛んで真っ黒になっていた。熱すぎて振り落とした。

そこから手前に視線向ける。手や腕に若干の痺れが残るものの形状は多分大丈夫。焦げてもないし飛んでもない。

耳はまだ聞こえづらいものの、Mさんが心配そうな様子で地上から「大丈夫か?」と声をかけてくる。どう考えても今の音や衝撃は大丈夫じゃないと思ったけど

「大丈夫っす」

と答える、多分アレだ、交通事故で轢かれた側が恥ずかしさのあまり「大丈夫っす」と言って逃げる感覚に近いと思う。損である。

微笑みタイ人の「大丈夫か!?!?」のボディランゲージに死にそうな顔でサムズアップを返す。こういうときは微笑まないらしい。

とにかく生きていた、レンチみたいに頭と足先が吹き飛んで丸焦げという事態は避けられた。

覚悟の無い突然の死の恐怖というのは意外にも収束するのが早いようで、五分ほど座り込んでから調査作業、、、に戻る前に会社へ連絡しておく

僕「今感電したっす」

社長「確認せんお前が悪い、さっさと仕事片づけろ」

以上

非常にポジティブな僕は「命があるだけマシか」と思い、作業を続行した。

得られた教訓

シンプルな話だった。

触れる前に通電しているかどうかを確認すれば良い、それだけだった。

曖昧な微笑みタイ人を信じず、計器を使えばよい話であった。

ただそれだけのこと。

しかし今思えば状況は最悪だった。

慣れない海外

通じない言葉

止まらない汗

高温の状況下でもうろうとする意識

微笑みタイ人

前日のビール

前日の夜更かし、否時差ボケ

これらの条件が揃っているのだ、役満である、役満って何なのかわからないが。

おおげさでは無く命がけの仕事だったのだ

「このタイ出張終わったら日本で結婚するんだ」

日本で最も死亡確率の高いフラグだ。この当時すでに結婚してたけど。

微笑みタイ人にグーグル翻訳を使って話してみたが識字率が低いのかグーグル翻訳が悪いのか

「いいよ」

と返ってきた、高すぎる言葉の壁に涙が出た。

なんだかんだと作業や調査を終え日本に戻るタイランド最終日、Mさんの部屋で最後の晩酌をしていた。

「俺らの仕事は世界を豊かにするもんや、無かったモノを作る、そのためのオートメーション化を進めるもんや。便利の裏には多少の犠牲もある。それでもいろんな雇用を生み出して、商品をつくりだして経済を回す大切な仕事や」

情熱をもって話してくれた。熱い言葉だった。左手の薬指には指輪

『そういえば最近結婚したとか言ってたな』

右腕はタイ人女性の肩を抱いていた。

「ほな、寝よか」

先ほどまでの熱さはどこへ消えたのか?情緒不安定なのか?突然邪魔者扱いである。

Mさんの部屋を出て自分の部屋で僕は眠った。

得た教訓としては

可能な限り感電は避けるようにしたほうが良いです。

あと浮気はせんほうがいいです、Mさん何故かばれたと言ってました。

では。

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ABOUTこの記事をかいた人

藤鴎外です。 特段森鴎外のことは好きではありませんが、鴎外の響きにやられてしまいました。 ブルーワーカー系ブロガーで、青い服着てドロドロになりながら試乗記事なんかを書いています。